ファブリックの女王
北欧を代表するファッション・ブランド<マリメッコ>
創業者アルミ・ラティアの波瀾万丈な人生模様

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INTRODUCTION

アルミ・ラティア画像

<マリメッコ>創業者アルミ・ラティア、波瀾万丈な人生

“マリメッコ”とは?

日本でも人気の北欧を代表するファッション・ブランド<マリメッコ>。「マリメッコ = Marimekko」とはフィンランド語で「小さなMariのための服」を意味するが、Mariを組み替えるとArmi となり、創業者アルミ・ラティアは、<マリメッコ>の中に生き続けている。

日常を楽しくする、新しいライフスタイル

戦後まもない1951年に<マリメッコ>を創業したアルミは、才能あるデザイナーを集めて作った斬新なデザインのファブリックで、女性たちをコルセットから解放し、新しい時代のライフスタイルを提案することに、生涯情熱を注いだ。60年代には当時のファッションアイコン、ジャクリーン・ケネディが愛用し、<マリメッコ>はフィンランドから世界で愛されるブランドへと急成長した。当時は稀な女性起業家として男性偏重なビジネス社会に乗り込み、破天荒なキャラクターと天才的なプロデュース・PR力で、何度も襲いかかる破産の危機、夫や家族との軋轢などのあらゆる困難と闘い「何をも恐れなかった」アルミの人生。そこには「美」への飽くなき探究心と、みんなが幸せに働き、生きていける理想郷 “マリメッコ村”をつくる大きな「夢」、そして従業員たちへの厳しくも温かい「愛」があふれていた。<マリメッコ>はアルミの人生のすべてであり、アルミこそがファブリックで世界を変えようとした“女王”だった。

構想50年!監督はオスカー受賞者で<マリメッコ>初期の役員

監督はアカデミー賞外国語映画賞を受賞したベルイマン監督作『ファニーとアレクサンデル』のプロデューサーとして、フィンランド人で唯一のオスカー受賞者であるヨールン・ドンネル。30代でアルミに出会い、初期<マリメッコ>の役員を務めた。アルミを知る生き証人として自らメガホンを取り、若い脚本家とのコラボレーションによって、構想50年の熱い想いを、アルミを演じる女優視点の劇中劇を駆使して巧みに結実させている。

“シンプル・タイムレス・ユニセックス” <マリメッコ>の原点

劇中には、初期<マリメッコ>を代表するデザイナー、マイヤ・イソラやアンニッカ・リマラらを思わせる人物が登場するが、当時の再現ではなく、アルミの時代と現在活躍するデザイナーによる新旧の美しい<マリメッコ>デザインの融合が見どころのひとつ。“シンプル・タイムレス・ユニセックス”な<マリメッコ>の先鋭的でしなやかなスピリットは、創業から65年を経た今も、脈々と受け継がれている。アルミや初期のデザイナーにオマージュを捧げた春夏コレクションの発表、1月より全国巡回中の国内初の大規模展覧会「マリメッコ展—デザイン、ファブリック、ライフスタイル」の開催など、<マリメッコ>の原点を振り返るのにふさわしい「マリメッコ・イヤー」の2016年に、本作も満を持しての公開となる。

STORY

ファッションショーの模様

戦後まもないフィンランド。
戦争で兄弟も工房も失ったアルミは、夫のヴィリヨが買収した業務用のオイルプリントを作る会社で働き出す。やがて、個人向けに綿のファブリックにプリントすることを思いつき、1951年、新たな会社を立ち上げる。
会社の名前は<マリメッコ>。
しかし、その船出は順風満帆とは言えなかった。そこで、ただファブリックを売るだけでなく、その使い方を示すドレスのファッションショーを企画。ヘルシンキで初めて行なわれたファッションショーは、全財産をかけた大博打だったが、大成功をおさめる。カラフルで斬新なデザインのファブリックと、女性をレースやコルセットから解放したドレスは、たちまち注目を集め、事業は軌道に乗り始めた。
アルミは才能あるデザイナーを集めて自由にデザインさせ、それぞれのファブリックには名前とデザイナーの名前を記すことにした。<マリメッコ>はアルミの全てであり、何でも言い合える従業員たちは“家族”だった。しかし“家族”の面倒を全て引き受け、出費を惜しまないアルミは、銀行団に非難され、幾度も倒産の危機に陥った。
一方、<マリメッコ>にのめり込むあまりに常識を外れていくアルミに、夫や子どもたちはついていけなくなっていた。理解されない、愛されない寂しさを、酒や他の男性で埋めようとするアルミ。<マリメッコ>は「知的な人々のユニフォーム」として世界に認められるようになり、職住が一体となった自然あふれる理想郷 “マリメッコ村(マリキュラ)”をつくるためにアルミは奔走するのだが・・・
舞台劇でアルミ・ラティアを演じる女優マリアの俯瞰的視点で、アルミの人生を浮き彫りにしていく。

TRAILER

ARMI RATIA & MARIMEKKO

ARMI RATIA:アルミ・ラティア(1912-79)

ヘルシンキのデザイン学校卒業後、故郷で織物工房を開くが、戦争で閉鎖。ヘルシンキの広告代理店でコピーライターとして働いた後、夫のヴィリヨが買収したプリンテックス社で働き始めた。1951年、デザイン会社として<マリメッコ>を設立。60年代には世界的なファッション・ブランドへと押し上げ、フィンランドで最もよく知られた女性起業家である。

<マリメッコ>について

マリメッコは独特なプリントと色彩で知られているフィンランドのデザイン会社。会社の製品一覧にはテキスタイルからテーブルウェアにまで及ぶホームインテリアのアイテムだけでなく、クオリティの高い洋服、バック、アクセサリーも含まれている。1951年にマリメッコが設立された時、その前例のないプリントされたファブリックは、強くてユニークなアイデンティティとなった。マリメッコの製品は40ヶ国で販売されている。2014年、全世界での売上高は18億7千万ユーロ、会社の純売上高は9億4千万ユーロ。世界中に140店以上あるマリメッコの店舗のうち、30店は日本にある。重要な市場は北欧、北米、アジア・太平洋地域。グループの従業員は約500名、そのうち90%は女性で平均年齢は36歳。
Marimekko (マリメッコ) 日本公式サイト

DIRECTOR

監督:ヨールン・ドンネル Jörn Donner

「アルミ・ラティアについての映画をつくることは、長い間ずっと私の課題だった。伝記的な平凡な方法を避けたことで、特に脚本が難しく、形にすることに時間がかかった。
アルミに初めて会ったのは1967年。彼女は自分の会社の役員会を“退屈すぎる”と考えていたので、活気づかせるために、私を役員に招いた。その頃、<マリメッコ>は今にも破産しそうな、大きな財政問題に直面していた。私は会社を救うための仕事に参加しなければならなかった。それから1974年まで役員を務め、アルミは1979年に亡くなった。
アルミは快活で多面性があり、何にでも好奇心がある人だった。それはビジネスに関する限り、欠点とも思われていた。しかし、アルミは<マリメッコ>にとって必要な存在であり、会社の魂であり続けた。60-70年代、男性に独占されていたビジネス界において、アルミは女性として類のない存在だった。彼女は自分自身の手で様々なものを作り上げ、裕福な夫の家族や彼女からお金を取り上げようとする銀行、そして保守的な美の概念と闘った。
これまで描かれてきたアルミ像は、本当のアルミを伝えていないと思い、私は劇中劇というメタ構造(アルミを演じる女優が俯瞰する二重構造)で作ることにした。ムダのないミニマルなこの映画の描き方は、予算の問題だけでなく、アルミの実像に迫るのに上手く作用したと思っている」

監督:ヨールン・ドンネル

1933年生まれ。60年代から10本以上の映画を撮り、監督・製作者・作家・政治家など幅広い顔を持つフィンランド映画界の重鎮。プロデューサーを務めたイングマール・ベルイマン監督作『ファニーとアレクサンデル』(82)がアカデミー賞外国語映画賞を受賞し、現在でもフィンランド人で唯一のオスカー受賞者。67年にアルミ・ラティアと出会い、74年まで<マリメッコ>の役員を務めた。

CAST & STAFF

CAST

アルミ・ラティア:ミンナ・ハープキュラ
リーナ:ラウラ・ビルン
ヴィリヨ・ラティア:ハンヌ=ペッカ・ビョルクマン
ケルットゥ:レア・マウラネン
ロベルト・エンッケル/ヨアンナ・ハールッティ/アンッティ・ホルマ/オーナ・カム/ティーナ・ルュミ/オウティ・マエンパー/セシル・オルブリン/アンナ・パーヴィライネン/ユッカ・プオティラ/エーロ・リタラ/ペッカ・ストラング/ヤーコブ・オールマン

STAFF

監督: ヨールン・ドンネル
脚本: カロリーナ・リンドグレーン
撮影: ハンヌ=ペッカ・ヴィティカイネン
美術: オッツォ・リンナラークソ
衣装デザイン: ティーナ・カウカネン
メイク: ピア・ミッコネン
編集: クラウス・グラッベル
音響: カッリ・ニーニヴァーラ
製作: ミーシャ・ヤーリ/マーク・ルオフ
制作会社: ブフォ

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